冬の船 15
僕は地獄を時々まとう
と
少年は言う
まとうだけですむのかい?
まとうだけだよ
だから脱げば
もう地獄に居ない
知っているのかい?
知っているから
まとえるんだよ
現に地獄に居る物は?
現に地獄に居る物は地獄を知らないから地獄を脱け出せない
誰なの?
冬の船だよ
冬の船 12
コイン投げられた
回転しながら上がり
さらに回転しながら落下
逞しい手のひらは待つ
永遠のように待つ
逞しい手のひら
コインを受ける
表だっただろうか裏だっただろうか
表なら王 裏なら馬
それとも
表なら城 裏なら詩人
だっただろうか
刻々と変化するのだ
万物は刻々と変化する
愛は
どうだっただろうか
愛は変化しなかった。
なぜなら僕は永遠を経験しているから。永遠とは、待つことだ。丘で待っている。それが永遠だ。
丘とは存在。丘は城ではない。丘は都会ではない。丘は地球ではない。丘は宇宙ではない。
丘は存在。
人間は地球に含まれている。人間は宇宙に含まれている。地球は宇宙に含まれている。
丘はどこにも含まれていない。丘はどこにも所属していない。だから丘は存在。
丘で待つ。それが永遠だ。
丘で待っていると。永遠に待っていると。わかる。
愛は永遠に来ると。わかる。
永遠に待てば、永遠に愛はやってくる。愛は去るのではない。愛は常に来るのである。
冬の船 11
冠を戴く丘
丘には今は
僕ひとり
鳥は囀り
雲は棚引き
風は歌う
ここには
いつでも
すべてが居る
古き木々から
旅人は
必要なことの
すべてを
学ぶのだ
そしてまた
旅を続ける
それぞれが
王となって
冬の船 10
デイゴの丘を
越えて来るあかり
月のあかり
永久の鼓動は
真の宇宙の深淵から
やって来る
デイゴの丘は
きみ
寂しさが
丘そのものとなり
月に風
風に窓鳴れども
深淵なる鼓動
まりこのまこと
今も
聞きているなり
冬の船 9
夏の木陰は貴重だ
夏の木陰へと来る風は
冬の女王が
海の彼方に帰る前に
あちらこちらに
隠しておいた
宝箱の蓋を少しだけ開けて
やって来た
と
僕は言った
遠い島
遠くて近い砂浜
そして
いつもともにいる
銀河の流れのなかで
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