冬の船 5






小惑星の軌道を変える方法は21世紀初頭に盛んに検討された

「小惑星を白く塗ればいい。太陽光の圧力を利用して軌道を変えるのだ」
との意見が出現した


現在、地球に向かって着実に邁進する小惑星を
実際に白く塗る作業を
退屈な作業を黙々とこなしているのは
時空ハイブリット生物の
ナーブイであった

月面に
折り畳んで収納してあった
スペースヨットを
月上空で開き
小惑星に向けて発進させる

単純な作業ではある

スペースヨットの巨大な帆は
もちろん白い

もちろん
現代においては
白い色のみの効果で推進力を得るという21世紀初頭の
のんきな方法からは
著しく進化してはいる

だが
時空ハイブリット生物ナーブイは
先人の発想の柔らかさを著しく尊敬している





冬の船 4






竜の背を
首里城へと急ぐ

竜の背

竜はほんもの

各地に伝播したウツシ竜じゃない
ほんものよと
ユターシャは言う

竜の背を
僕とユターシャは
歩いて首里城へと急ぐ

祈りを持って

すすきは
それぞれを鼓舞する

ぐすくは
くすぐって
歌を歌わせたと

ユターシャは言う









冬の船 3






ブルーの服
風として旗として

掴んだ手は
小さかった

行方について
僕はユターシャに
尋ねた

ユターシャは
僕のリズムと合わせ

行方を教えてくれた

永遠を知っているから

場所を教えてくれた

旅する丘

神について

ほんとうに

知りたいなら

清らかな旅を

続けることだ







冬の船 2






デイゴの丘

変わらず

ふたり来たら

デイゴの丘

冬の船は

行ったけれど

冬の船は

デイゴの丘

永遠を知っている

愛することは

永遠を知ること